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『エル・アルコン-鷹-』2007年と2020年、配役を比べると再演がもっと面白い!

本から帆船と鷹が広がる海洋活劇のオリジナルイラスト 宝塚

宝塚の再演を選ぶとき、まず主演の名前を確かめますよね。でも、配役表を少し下まで読んでみると、主役の交代だけでは見えない変化があります。

『エル・アルコン-鷹-』は、2007年の星組公演から2020年の星組公演へ受け継がれた海洋活劇です。二つの原作、対立する人物、ひとりで二役を担う配役。入口を分けると、長い名前が並ぶ物語も追いやすくなります。

今回は、舞台の出来を順位づけするのではなく、公式の配役表で確かめられる違いから再演の楽しみを探してみます。

ここから始めよう:主演三人に加えて、同じ役を続ける人と、二役を担う人に注目してみましょう。

原作は二つ!ティリアンだけを追うと見落とすものがある

舞台は青池保子さんの『エル・アルコン-鷹-』と『七つの海七つの空』をもとに構成されています。脚本・演出は齋藤吉正さん。音楽には寺嶋民哉さんが参加しています。

作品名は『エル・アルコン-鷹-』ですが、一冊の漫画の筋だけをなぞる舞台ではありません。野望に進むティリアン、彼に復讐を誓うレッド、ティリアンと対峙する女海賊ギルダという、異なる思いが組み合わさっています。

ティリアンはイギリス海軍士官でありながらスペインへの憧れを持つ人物。出身や所属と、本人が目指す場所が一致していません。このずれを押さえると、国名が出てきたときも整理しやすくなります。

「イギリスの人だからイギリス側」とだけ考えると、行動の理由を取り違えやすいところです。まず所属、次に目的を分けて見ると、冒険の背景が見えてきます。

二つの原作と三人の主人公を整理した図
二つの原作と三人の主人公を整理した図

安蘭けいさんから礼真琴さんへ、三人の配役を並べてみよう

2007年の宝塚大劇場公演では、ティリアンが安蘭けいさん、ギルダが遠野あすかさん、レッドが柚希礼音さんでした。

2020年の梅田芸術劇場公演では、ティリアンが礼真琴さん、ギルダが舞空瞳さん、レッドが愛月ひかるさんです。主役と相手役だけでなく、対立するレッドまで一組で見ておくのが、この作品を追うコツです。

恋愛の相手を知るだけでは、復讐の筋が抜けてしまいます。配役の三角形を先に覚えると、どの人物の言葉を聞いているのか迷いにくくなります。

役2007年・本公演2020年
ティリアン・パーシモン安蘭けい礼真琴
ギルダ・ラバンヌ遠野あすか舞空瞳
ルミナス・レッド・ベネディクト柚希礼音愛月ひかる
イザベラ万里柚美万里柚美
エドウィン・グレイム涼紫央天華えま
ジェラード・ペルー立樹遥綺城ひか理

イザベラは同じ万里柚美さん!「同じ」と「変わる」が隣り合う

二つの配役表で目を引くのが、イザベラをどちらも万里柚美さんが演じている点です。2007年の出演者一覧では星組、2020年の一覧では専科に名前があります。

専科は、特定の組に属して各公演へ出演する組生とは異なる所属です。再演では、主演する顔ぶれが変わっても、同じ役を担う出演者がいることがあります。

この記録からわかるのは、同じ人が同じ役に配されたことです。台詞の間や人物の解釈まで同じだったかは別の話なので、そこは映像で比べる楽しみに取っておきましょう。

エドウィンは涼紫央さんから天華えまさんへ、ジェラードは立樹遥さんから綺城ひか理さんへ。主演の周囲を見ていくと、再演は三人の交代だけで成り立っているわけではないことがよくわかります。

好きな出演者から見始める方は、その人の役名を先に調べておくと便利です。役名がわかれば、別の年の配役表でも同じ人物を探せます。名前の知っている人だけを拾うより、物語の中での位置をつかみやすくなります。

2020年は全国ツアーではなく、11月の梅田芸術劇場公演

2020年公演を調べると、全国ツアーという言葉も出てきます。ただし、予定されていた6月12日〜7月1日の全国ツアーは中止となりました。

公式ページが記録する上演は、梅田芸術劇場メインホールの11月20日〜28日です。予定と実際の上演を分けることは、出演記録や映像を探すうえで大切です。

2007年の宝塚大劇場公演は11月2日〜12月15日。組み合わせのショーは『レビュー・オルキス-蘭の星-』でした。2020年は『Ray-星の光線-』が一緒に上演されています。

同じお芝居でも、後半のショーは別作品です。商品名を見たときに、ショーの名前まで一緒に確かめると、どの公演を収めたものなのか見分けやすくなります。

2007年初演と2020年再演の公演を整理した図
2007年初演と2020年再演の公演を整理した図

ひとりで二役?スラッシュのある配役が教えてくれること

2020年の配役表には「グレゴリー/サンタクルズ」「エドリントン/リカルド」など、二つの役名が並ぶ行があります。役替わりと読み違えないようにしたいところです。

グレゴリー/サンタクルズは輝咲玲央さん、エドリントン/リカルドは桃堂純さん。どちらも二つの役名に一人の出演者が記されています。二人が日替わりで同じ役を演じる書き方とは違います。

2007年も、グレゴリー/サンタクルズは英真なおきさん、エドリントン/リカルドはにしき愛さんと、二役をまとめた記載がありました。再演になって初めて二役になったわけではありません。

一方、ギャレット提督とバルデスは2007年には別々の行に載っています。2020年では「ギャレット提督/バルデス」を蒼舞咲歩さんが担当。パーシモン卿とパトリック、裁判官とビッグジョンも、2020年にはそれぞれ一人が担う記載になっています。

この違いは、配役の割り振りが変わったことを確かめられる材料です。ただし、二役が増えたからといって、脚本がどれだけ短くなったか、場面が削られたかまではわかりません。人物の担当と舞台上の構成は、分けて見る必要があります。

観る前に二役をひとつだけ覚えておくのも面白そうです。「さっきとは別の人なのに、同じ出演者なんだ」と気づく入口になります。顔だけで追わず、衣装や呼び名から役を見分ける助けにもなります。

役名・出演者・公演年を分けて読むための図
役名・出演者・公演年を分けて読むための図

映像を探すなら、公演年と収録日をセットで見よう

2020年公演の公式ブルーレイ『エル・アルコン-鷹-』『Ray-星の光線-』は、梅田芸術劇場で2020年11月28日に収録された商品です。発売日は2021年3月29日。

発売年だけを見ると、2021年に上演された作品だと思ってしまうかもしれません。上演年、収録日、発売日はそれぞれ違う情報です。過去の作品を選ぶときほど、この三つを分けて確かめると安心です。

同商品の説明には、ショー『Ray』の一部楽曲を著作権上の理由で差し替えて収録した案内もあります。舞台映像の商品は、公演の記録であっても、当日の音楽がすべてそのまま収められているとは限りません。

まず好きな出演者の役を一人、その次に二役の行を一つ。少しずつ配役表を読むだけでも、再演作品の見方が広がります。全部の名前を暗記してから観る必要はありません。

おまめさん
私のひとこと

私は、再演の配役表に同じ名前を見つけると、ちょっとうれしくなります。変わった役も、続いた役もあるから、二つの年を行き来する楽しみが生まれるんですよね。まず気になる一役から比べるくらいが、肩の力を抜いて楽しめそうです。

もっと知りたいときは、公式情報をどうぞ

宝塚歌劇:2007年宝塚大劇場公演の配役

宝塚歌劇:2020年公演情報・作品紹介

宝塚歌劇:2020年公演の配役

キャトルレーヴ:2020年公演の公式ブルーレイ情報

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