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RX-7の「ツインスクロール」はターボが二つ?FCとFDの違いを部品から見る

RX-7をイメージした車とターボの概念イラスト 車
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。車と部品はイメージです。参考:マツダのRX-7資料。

FC3Sのカタログには「ツインスクロール」、FD3Sには「シーケンシャル・ツインターボ」。どちらも「ツイン」と書かれているので、どちらもターボが二つ付いているように見えます。

ここで数えるものが違います。ツインスクロールは排気の通り道の分け方を指す言葉。ツインターボはターボチャージャーを二つ使う構成の名前です。今回はマツダの当時の系譜をたどり、二代目FCと三代目FDを分けて見てみましょう。

まずターボの中で、何が回っている?

排気が回す羽根と、空気を押し込む羽根

エンジンから出る排気ガスは、ターボチャージャーのタービン側に入ります。その力で羽根が回ると、同じ軸につながった反対側のコンプレッサーも回ります。コンプレッサーは吸い込んだ空気を圧縮してエンジンへ送り、燃焼に使える空気を増やします。

羽根が二つ見えても、それは排気側のタービンと吸気側のコンプレッサー。これだけで「ツインターボ」とは呼びません。二つの羽根を一組として、ターボチャージャーという部品を考えると整理しやすくなります。

タービンとコンプレッサーが共通の軸につながる仕組み
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。一般的なターボの概念図で、実車の詳細な構造ではありません。 参考:メーカー資料

圧縮された空気は熱くなるので、インタークーラーで冷やします。マツダの紹介では、1985年のFCの13Bターボは空冷インタークーラー付き。空気を圧縮する部品と、圧縮後の空気を冷やす部品も別々です。

車の解説アイコン

ターボを数える前に、左右の羽根が一本の軸でつながっているか見てみましょう。羽根の数だけでターボが二基と決めずに済みます。

FCの「ツイン」は二つの通り道

排気を分けることと、ターボを増やすことは別

マツダは、1985年に発売した二代目サバンナRX-7の13Bターボを「ツインスクロールターボチャージャー」と紹介しています。1989年には「インディペンデント・ツインスクロールターボ」を採用し、最高出力は205psになりました。発売当初の185psと混同しないよう、年代も一緒に覚えておきたいところです。

スクロールとは、タービンへ排気を導く渦巻き状の通路のこと。ツインスクロールという言葉は、この通路を分けて扱う設計を指します。マツダ技報は、ツインスクロールの狙いを排気干渉の低減と説明しています。ただし、技報で扱うのは後年の別のエンジン。FCの詳細な配管や制御を、その資料だけで決めつけることはできません。

一基のツインスクロールと二基のターボを比べた一般的な概念図
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。色は排気の二つの通路を区別するためのもので、吸気と排気の色分けではありません。実車の部品形状や配管を示すものではありません。 参考:メーカー資料

ツインスクロールの「二つ」は通路の話。ターボ本体の数を示す言葉ではありません。

1989年の変更を「ターボだけ」で説明しない

1989年の変更では、ターボの改良だけでなく、エンジンの圧縮比やローター、フライホイールも見直されています。マツダは軽量化によってアクセル操作への反応を改善したと説明しています。185psから205psへの変化を、ひとつの部品だけの効果として読まないことも大切です。

FDは二つのターボを使い分ける

シーケンシャルは「順に」という意味

1991年12月発売の三代目は「サバンナ」の名前が外れ、アンフィニRX-7として登場しました。13Bにはシーケンシャル・ツインターボを採用し、登場時の最高出力は255ps。マツダの沿革では、二つのローターを持つエンジンであることも記載されています。

シーケンシャル方式は、運転状態に応じて二基を段階的に使う考え方です。排気が少ない領域では一基を中心に働かせ、より多い領域ではもう一基も加わる。これにより、低回転側の応答と高回転側で必要な空気量を両立しようとします。説明用の概念であり、実際の切り替えには排気・吸気など複数の弁が関わります。

FCとFDのターボ基数を比べるイメージ
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。形状と配置は実車と異なります。 参考:メーカー資料

「低回転ではもう一基が完全に止まっている」「何回転で必ず切り替わる」といった断定は、ここで参照したマツダの車両紹介だけではできません。実際は準備動作を含む制御があるため、切り替えを単純な電灯のオン・オフとして覚えないでください。

二つのローターと二つのターボも、別々に数える

13Bの「2ローター」はエンジン本体の数え方で、「ツインターボ」は過給機の構成です。ローター一つにターボ一つが固定で担当し続ける、という意味ではありません。数字がそろうため結び付けたくなりますが、エンジンの中と過給機を分けて見ましょう。

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同じ13Bの名前があっても、FCとFDはターボの説明をそのまま移せません。まず年式と型式を見てから資料を開くと安心です。

馬力の数字は年式と組み合わせる

マツダ社史で確認できる変化
1985年 FC発売時13Bツインスクロール185ps
1989年 FC改良時インディペンデント・ツインスクロール205ps
1991年 FD発売時シーケンシャル・ツインターボ255ps
1996年 FD改良時265ps
1999年 FD改良時タイプRS・タイプR(5MT)は280ps、タイプRBは5MTが265ps・4ATが255ps

後年のFDを見て「FDは全部255ps」と思うと、カタログの数字が合いません。マツダの1998年12月の発表によれば、1999年1月発売の改良モデルでは、280psはタイプRSとタイプRです。同時期のタイプRBは5速MTが265ps、4速ATが255ps。1999年以降のFDすべてが280psというわけではありません。 年式だけでなくグレードと変速機を合わせて、当時の資料を確認してください。

中古車の写真では、吸気系や過給機が交換されている可能性もあります。過去のカタログは新車当時の仕様を知る手掛かりで、目の前の個体を保証するものではありません。

FCのツインスクロールは「どんな通路で排気を導くか」。FDのシーケンシャル・ツインターボは「二基をどう使うか」。似た名前が並んだときは、まず二つという言葉の先に何があるかを確かめると、両方の面白さが見えてきます。

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