『NINE』を見始めると、グイードの周りに次々と女性が現れます。「いま一緒に旅をしている人? 昔の知り合い? この人も恋人?」と、名前を追うだけで忙しくなるかもしれません。
最初の手がかりは、人物の多さより、グイードとの関係を分けて見ることです。妻、愛人、映画の仕事で関わる人、そして母。さらに、幼いグイードも別の役として配役表に載っています。
ここでは、2026年月組公演の公式の作品紹介・配役と、原作舞台の権利元Concord Theatricalsの人物紹介をもとに、人物を見分ける入口をつくります。物語の結末まで先に知りたくない方にも読めるよう、あらすじで紹介されている範囲を中心にします。
要点
ルイーザとカルラの関係の違い/グイードを囲む映画の仕事相手/母とリトル・グイードを同じ現在の人物として見ないこと
グイードは、映画も結婚生活もうまくいかない
旅の相手は、妻ルイーザです
物語の中心は有名映画監督のグイード・コンティーニ。新作の撮影が迫っているのに構想がまとまらず、仕事に行き詰まっています。そのうえ妻ルイーザから離婚を告げられます。
公式のあらすじでは、グイードは夫婦関係の修復と新作のアイディアを求め、ルイーザとヴェネツィアのスパ・リゾートへ向かいます。二人が旅をしているからといって、順調な夫婦旅行ではないのですね。
グイードを演じるのは鳳月杏さん、ルイーザは天紫珠李さんです。まずこの夫婦を覚えると、その後に現れる人とグイードの関係を比べやすくなります。
カルラは妻ではなく、愛人
カルラはグイードの愛人として押さえたい人物です。2026年月組の配役では美渦せいかさんが演じています。妻と愛人の名前を一度分けて覚えるだけでも、グイードが誰と向き合っているのかを見失いにくくなります。

ルイーザが問題にしているのは結婚生活です。そこへ、グイードを取り巻く別の人間関係も入ってきます。「女性が大勢いる作品」と一括りにせず、いま話している相手は何を知る立場の人なのかを見ていきましょう。

映画の仕事で関わる人もいます
リリアンとクラウディアを、同じ役割にしない
グイードの周りには、私生活だけでなく映画の仕事で関わる女性たちもいます。リリアン・ラ・フルールはプロデューサー、クラウディアは女優です。
2026年月組では、リリアンを専科の輝月ゆうまさん、クラウディアを礼華はるさんが演じます。どちらも映画と関わる人物ですが、作品をつくる側の立場と、出演する女優の立場は分けて見たいところです。

グイードは新作を思いつけない状態にあります。仕事相手が現れるときには、単に知り合いが増えたのではなく、映画をつくらなければならない彼の状況も思い出すと、話を追いやすくなります。
人物を小さな配役表で
| 役 | 2026年月組の出演者 | 見分ける入口 |
|---|---|---|
| グイード | 鳳月杏 | 映画監督 |
| ルイーザ | 天紫珠李 | 妻 |
| カルラ | 美渦せいか | 愛人 |
| リリアン | 輝月ゆうま(専科) | プロデューサー |
| クラウディア | 礼華はる | 女優 |
| ママ | 夢奈瑠音 | 母 |
| リトル・グイード | 美海そら | 幼いグイード |
表は左右にスクロールできます。表の参考:宝塚歌劇:2026年月組NINEの配役
この表は主要な関係をつかむための抜粋です。公演には、サラギーナ、スパの聖母、ほかにも多くの役が登場します。気になる役が出てきたら、公式の配役一覧へ戻って確認できます。
母と、幼い自分も登場する物語
ママは、同じ旅先に来た現在の知人とは違う
公式の作品紹介は、グイードの前に女性たちが現れる中に「天国にいる母」も挙げています。配役表のママは夢奈瑠音さん。旅先に来た仕事相手と母を、同じ現在の出来事として並べると戸惑いやすくなります。
ここで覚えておきたいのは、『NINE』が現在の人間関係だけを順番に説明する物語ではないことです。公式も、グイードが次第に現実から幻想へ迷い込むと紹介しています。
リトル・グイードは、幼いグイードを知る入口
配役表には、大人のグイードとは別に、リトル・グイードの役があります。2026年月組では美海そらさんが演じています。大人の映画監督と、幼い彼の存在を分けて覚えておくと、過去に関わる人物が現れる意味を考える手がかりになります。

注意
図は人物の関係を整理するためのものです。「母が出た後に少年が出る」などの上演順を示していません。各場面が現実か回想か幻想かは、登場人物の名前だけで一律には決められません。
「九人だけの話」と考えなくても大丈夫
題名が『NINE』なので、主要人物を数えて九人に揃えたくなるかもしれません。しかし公式の配役一覧には、それより多くの役が記されています。まず九人を探して覚えるより、誰が誰なのかを関係から見ていく方が役立ちます。
作品のもとになったのは、フェデリコ・フェリーニ監督の映画『8 1/2』です。それをもとに、アーサー・コピットの脚本、モーリー・イェストンの作詞・作曲によるミュージカルが1982年に初演され、2009年には映画にもなりました。
つまり、原作映画、ミュージカル、その映画版、2026年の宝塚版を、全部同じ表現だとは考えない方がよいですね。今回扱う配役は、潤色・演出を指田珠子さんが手がけた2026年月組公演のものです。

もう一度見るなら、グイード以外の目的にも注目
二度目に人物を追うなら、グイードがどう感じるかだけでなく、相手が何を求めているのかに注目する見方もあります。ルイーザなら夫婦の話、仕事相手なら映画の話。同じグイードに向けた言葉でも、出発点は違います。
映像や資料を選ぶときは、2026年月組公演かどうかを確認してください。公式の人物関係を押さえて、自分が見たい人や気になった場面へ戻るために使ってください。
公演は東急シアターオーブで2026年9月10日から27日まで上演されたものです。今から資料や映像商品を探すときは、年・組・出演者を揃えると、別の『NINE』との取り違えを防げます。


