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初代MR2のスーパーチャージャーは回りっぱなし?AW11のSC12と電磁クラッチ

二つのルーツ式ローターとベルト用プーリー、空冷式インタークーラーの部品イメージ 車
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ:1986年8月26日 MR2改良・4A-GZEとSC12の発表。ルーツ式と吸気冷却を示す一般化した部品イラストです。SC12純正の外観・寸法・搭載位置の再現ではありません。

初代MR2にスーパーチャージャーが付いたのは知っている。でも、ベルトでエンジンにつながっているなら、ゆっくり走るときも常に過給機を回すのか。部品のつながりを考えると、気になるところです。

1986年に追加されたAW11の4A-GZEは、SC12という過給機をベルトで駆動し、その駆動を電磁クラッチでつないだり切り離したりします。トヨタの当時の発表には、軽負荷で切り離す理由まで載っています。

ここでは、その初代MR2の仕組みを追います。後年のMR2ターボを思い浮かべている方も、まずはベルトとクラッチ、二つのローターから見ていきましょう。

要点

  • SC12はエンジンの回転をベルトで受け取る
  • 加速時や高負荷ではクラッチをつなぎ、軽負荷では切り離す
  • 過給した吸気は空冷式インタークーラーで冷やす

» ベルトで回すのに、途中で切り離せるの?

電磁クラッチが、過給機への駆動を受け渡す

ベルトの役目は、エンジンのクランクシャフトの回転を過給機へ伝えること。クランクシャフトは、ピストンの往復運動から回転を取り出す軸です。

ただし、ベルトでつながっていることと、その回転をローターへ常に伝えていることは別です。MR2のSC12には、コンピューターで制御する電磁クラッチが使われています。

駆動が伝わる範囲をオレンジの点で見る(再生/停止)

もう一度押すと停止します。上はクラッチの先へ、下は切り離す手前まで点が進みます。点は機械駆動の有無を示し、実際の部品速度・吸気・ローターの回転ではありません。動きを減らす設定では静止画で表示します。

高負荷で電磁クラッチを接続し、軽負荷で過給機への機械駆動を切り離す比較
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ:1986年8月26日 MR2改良・4A-GZEとSC12の発表。機械駆動の接続の概念図です。純正クラッチ内部・ベルト経路・実際の空隙や回転速度の再現ではありません。切離し時の吸気流やローターの実回転は示しません。 動く点:当サイト制作。初期状態は停止。

加速時や高負荷ではクラッチをつなぎ、エンジンの回転で過給機を駆動する。軽負荷では切り離す。トヨタは、静かさと燃費を考えた制御として説明しています。

図の動きは、オレンジの点がクラッチの先へ進むかどうかで、機械的な駆動の違いを示しています。部品の回転数や、切り替わる実際の速さを再現したものではありません。

「切れる」とは、ベルトを外すことではない

クラッチが切り離すのは、過給機へ伝える機械的な駆動です。ベルトが走行中に外れる、という動きではありません。

また、低負荷で駆動が切れることから、吸気の通り道やローターの実際の回転まで一括して決めつけることもできません。ここでは、当時の発表で確認できた駆動の接続と切り離しに絞っています。

注意

「何回転になったら必ずON」という固定の回転数は、今回確認した発表資料には示されていません。年式や制御条件を確認せず、回転数だけで作動不良と判断しないでください。

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私なら、まず「ベルトの回転」と「クラッチの先に伝わる駆動」を分けて見ます。過給機の名前だけでは分からなかった、普段の走り方への工夫がここにありますね。

» SC12の中には、まゆ形のローターが二つ

ねじ式ではなく、ルーツポンプ式

トヨタはSC12を、まゆ形の断面を持つ二つのローターを使うルーツポンプ式と説明しています。ローターはケースの中で回転する部品。そのローターとケースの間で空気を運び、エンジンへ送り込みます。

まゆ形の断面を持つ二つのルーツ式ローターを透かして見せる部品イラスト
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ:1986年8月26日 MR2改良・4A-GZEとSC12の発表。二つのローターの特徴を示す概念モデルです。純正SC12の寸法・隙間・ポート形状ではありません。

ここで見るのは、二つの回転体があることと、断面に二つのふくらみがあること。長いねじ状のローターで圧縮するリショルム式とは、部品の形も働き方も区別して読む必要があります。

イラストはローターの特徴を見せるためにケースを透かした一般化モデルです。純正SC12の寸法、隙間、ポート位置を写した分解図ではありません。

名前の「スーパー」だけでは、動かす力は分からない

このMR2の過給機は、排気の勢いでタービンを回すターボチャージャーと異なり、エンジンからベルトで駆動します。だからこそ、駆動をいつ伝えるかというクラッチの話につながります。

一方、同じ機械式の過給機でも、ローターの方式やクラッチの有無は機種で変わります。別の車の説明で覚えた仕組みを、SC12にもそのまま当てはめないようにしましょう。

» 空気を送り込んだ後に、もう一仕事ある

インタークーラーは、圧縮後の吸気を冷やす部品

4A-GZEには空冷式インタークーラーが組み合わされました。過給機で圧縮した吸気は温かくなるため、その熱を外の空気へ逃がしてからエンジンへ送ります。

温かい吸気と冷えた吸気、フィンを通る外気を分けた空冷式インタークーラーの図
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ:1986年8月26日 MR2改良・4A-GZEとSC12の発表。一般化した熱交換器の説明図です。MR2純正部品の形・搭載位置・配管の再現ではありません。

インタークーラーの中を通るのは、エンジンへ入れる空気。フィンの間を通る外気とは、壁を隔てて熱をやり取りします。両方とも空気ですが、二つの流れを混ぜるための部品ではありません。

部品の役目を分けると、SC12は空気を送り込み、インタークーラーはその吸気を冷やす装置になります。過給機だけを付け足した、と見るより、吸気の温度も含めて考えた仕様だと分かります。

ルーバー付きエンジンカバーにも、放熱の理由がある

1986年の発表では、スーパーチャージャー車にFRP製のルーバー付きエンジンカバーを採用したことも説明されています。エンジンとインタークーラーの熱を逃がすための工夫です。

外から見るとカバーの意匠の違いに見えますが、当時の説明を読むと、過給と冷却に伴う理由があることが分かります。ただし、現在の中古車は部品が交換されている場合もあるため、カバーの見た目だけで仕様を確定するのは避けたいところです。

» 1984年の初期仕様と、1986年追加の4A-GZEを分けよう

初代MR2の登場時から付いていたわけではない

初代MR2の発売は1984年。スーパーチャージャー付き4A-GZEの追加は1986年8月26日です。初代の代表諸元として初期の自然吸気車の数値が載る資料もあるので、そこへ過給仕様の説明を混ぜないようにします。

初代MR2の登場と1986年の追加仕様
時期変更・登場混同を防ぐ見方
1984年初代MR2発売発売当初の自然吸気仕様と区別
1986年8月26日4A-GZE・SC12搭載車を追加本記事の過給機説明の対象
同日の改良Tバールーフも追加自然吸気仕様にも設定あり

表は左右にスクロールできます。表の参考:トヨタ:1986年8月26日 MR2改良・4A-GZEとSC12の発表、トヨタ75年史:初代MR2の登場と変遷

この記事で説明しているのは、1986年に追加された日本向け初代AW11のスーパーチャージャー仕様です。2代目SW20のターボ車とは分けてご覧ください。

Tバールーフなら、必ずスーパーチャージャー?

1986年の改良では、屋根の左右のガラスを外せるTバールーフも加わりました。ただし、自然吸気の仕様にも設定されています。屋根の形と過給機の有無は、それぞれ別の項目です。

同じタイミングで発表された装備を、必ずセットだと覚えると混同します。古いカタログや中古車情報を見る際は、車名、年式、エンジン型式、屋根の仕様を分けて読むと、知りたい車へたどり着きやすくなります。

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私には、過給仕様の追加とTバールーフの追加が同時に並ぶ発表が興味深く感じられます。エンジンを見る人と、屋根を開けて楽しみたい人に、それぞれ選択肢を増やした改良だったと読めます。

過給機の異音や加速不良を調べている方は、この仕組みだけで故障箇所を決めず、年式とエンジン型式を伝えて整備工場へ。回転中のベルトや熱いエンジンに触れず、実車の点検は専門家へ任せてください。

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