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1986年ソアラのエアサスは、何を変える?空気ばね・油のダンパー・車高を部品から

2代目ソアラの外観と空気ばね・油のダンパーを一般化した断面 車
当サイト制作の概念画。参考:トヨタ75年史 https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/automotive_business/products_technology/technology_development/chassis/details.html

20ソアラの装備表で見掛ける「TEMS」と「エアサスペンション」。どちらも電子制御なら、結局同じものなのでしょうか。

違いを知るには、ばねとダンパーを分けてみるのが近道です。ばねは車体を支え、路面の凹凸で縮んだり伸びたりするもの。ダンパーは、その後も続こうとする揺れを抑える部品です。

1986年のMZ21は、車体を支えるばねに空気を使い、揺れを抑えるダンパーには油を使う仕組み。さらに車高も調整します。同じユニットの中でも、何を変えるかによって、空気と油の通り道が違います。

要点

  • 対象は1986年登場の2代目ソアラ、MZ21の電子制御エアサスペンション
  • ばねの硬さは空気の通路、減衰力は油の通路を変えて切り替える
  • 車高はメイン空気室への給気・排気で調整。すべてを「空気圧を変える」で片付けない

» コイルばねの代わりに、空気で車体を支える

黒いゴムの内側に、押し縮められる空気がある

エアサスと聞くと、車体を上げ下げする装置を思い浮かべるかもしれません。でもMZ21でまず変わったのは、車体を支えるばねそのものです。

トヨタの技術資料では、コイルスプリングに代わって空気室に封じ込めた空気をばねとして使うと説明されています。車輪が凹凸を踏み、空気室が縮められると、空気は押し返そうとします。

主空気室と補助空気室、切替弁の働きを示す部品概念図
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ75年史:TEMS・電子制御式フルエアサスペンション。働きと関係を示す一般化したイラストです。実機の寸法、細部形状、性能や動作速度を再現するものではありません。

図の青い部分は液体ではなく空気です。金属のダンパーの周囲にある主室と、その上側の補助の空気室を見分けてください。実物では前輪用と後輪用で形状が異なりますが、ここでは働きが分かるように一般化しています。

ばねの硬さは、サブ空気室への通路で変える

補助側はサブエアチャンバー、主室はメインエアチャンバー。MZ21では、サブ側へつながる空気の通路をバルブで切り替えて、ばね定数を変えます。

ばね定数とは、同じだけ縮めるのに、どれくらい力が要るかを表す量です。大きければ硬いばね、小さければ柔らかいばね、と考えると入口になります。

上部には大小の空気通路があり、エアコントロールバルブで通じ方を変える構造。公式資料は、これによるばね定数の3段階切り替えを説明しています。コンプレッサーで空気を足したり抜いたりする話とは、分けて読むのが大切です。

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私は図を見るとき、先に空気室だけを目で追いたいです。真ん中の棒や油の部品まで一度に覚えようとするより、「どの空間がばねになるのか」がつかみやすくなります。

» 揺れを抑える仕事は、真ん中の油のダンパー

油が狭い通路を通る抵抗を使う

ばねだけなら、縮んだ後も伸び縮みを繰り返そうとします。それを抑えるのがショックアブソーバー、つまりダンパーです。

内部の油が通路を通る際の抵抗を利用します。油の通りやすさを変えると、動きを抑える力である減衰力が変わります。空気がばねになる部分と、油が揺れを抑える部分は、別の役割を担っています。

油の通りやすさの違いと減衰力を比べるダンパーの概念図
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ75年史:TEMS・電子制御式フルエアサスペンション。働きと関係を示す一般化したイラストです。実機の寸法、細部形状、性能や動作速度を再現するものではありません。

この比較図は、油が通りやすい状態と、通りにくい状態を見せたものです。実機のバルブの形や穴の大きさをそのまま再現した図ではありません。油が固体の壁を抜けるのではなく、開かれた通路を通る点に注目してください。

一つのアクチュエーターが、空気側と油側を動かす

MZ21の装置では、アクチュエーターがダンパー側のロータリバルブと、空気ばね側のエアバルブを動かします。トヨタは、減衰力とばね定数を3段階に変えられると説明しています。

同じ指令で動く部品があっても、扱っているものは片方が空気、片方が油。ここが分かると、「電子制御」とひとまとめにせず、どこを調整しているかが見えてきます。

» 車高を変えるときは、主室に空気を出し入れする

ばねの切り替えと、給気・排気は別の話

車高は、メインエアチャンバーへ圧縮空気を供給したり、そこから排出したりして調整します。車体を支える高さを変えるための給排気です。

一方、前の章のばね定数の切り替えは、サブ空気室への通路を変える説明でした。どちらも空気を扱いますが、何をしたいかと、空気の行き先が違います。

主空気室への給気と排気で車体を支える高さを変える概念図
イラスト:当サイト制作(生成AI使用)。参考:トヨタ75年史:TEMS・電子制御式フルエアサスペンション。働きと関係を示す一般化したイラストです。実機の寸法、細部形状、性能や動作速度を再現するものではありません。

車輪が路面にあるまま、ばねが支える車体の高さを変える。図では、この関係だけを示しています。実車の車高差、調整時間、切り替わる速度は数値を付けていません。

1986年MZ21:三つの調整を分ける
変えるもの扱うもの調整する場所
ばね定数空気サブ空気室への通路
減衰力油ダンパー内部のオリフィス
車高圧縮空気メイン空気室への給気・排気

表は左右にスクロールできます。表の参考:トヨタ75年史:TEMS・電子制御式フルエアサスペンション

空気を使うばね、油を使うダンパー、空気を出し入れする車高調整。この三つに分ければ、装備名の長さよりも部品の仕事が覚えやすくなりますね。

» 「ソアラなら全部同じ」とは考えない

初期TEMSの説明と、MZ21のエアサスを混ぜない

ソアラには、1983年に採用されたTEMSの歴史もあります。トヨタの75年史では、こちらをショックアブソーバーの減衰力を2段階・3モードに制御する装置として説明しています。

今回の1986年MZ21のエアサスは、その説明とは別です。「2段階・3モード」という初期TEMSの数字を、そのままMZ21の空気ばねの仕様に当てはめないでください。

同じ2代目でも、型式とグレードを見る

2代目ソアラは1986年1月21日発売。公式の代表諸元では、エアサスペンション仕様の3.0GTリミテッドにE-MZ21の型式が示されています。

2.0GTツインターボなど、ほかのグレードまで同じエアばねだとは判断できません。写真や中古車の説明を読むときも、20ソアラという呼び方だけでなく、型式と、その車に現在付いている装備を分けて確かめたいところです。

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昔の装備名を見直すと、ひとつの言葉の中に何種類もの工夫が入っているのが面白いですね。私は「電子制御だから高性能」で終えず、空気の弁と油の弁を見分けるところから楽しみたいです。

1991年ソアラの油圧フルアクティブサスペンションも、また別の技術です。年代をそろえ、何が車体を支えているのかを確かめる。それだけでも、当時のカタログの読み方が変わってきます。

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