振替の案内、発表会のお知らせ、体験レッスンへの返事。小さなピアノ教室では、似た説明を何度も書く一方で、日付や対象だけは毎回違いますよね。
ChatGPTのプロジェクトを使うなら、「いつも同じ教室の決まり」と「今月だけの予定」を分けておくのがおすすめです。文章を速く作るだけでなく、古い日付や別の生徒への条件が紛れ込まない下書きを目指しましょう。
要点
教室共通の決まりはプロジェクトへ。今月の予定は新しい会話へ。送る前は、日付・対象・申し込み方法を自分で確認します。

プロジェクトは、教室の説明をまとめて置く場所です
ChatGPTのプロジェクトは、関係する会話、ファイル、指示を一つにまとめる機能です。毎回同じ背景を説明する仕事に向いています。今回は、公開してもよい教室の基本案内だけを材料にして始めます。
保護者や生徒の名簿を最初から入れる必要はありません。文章の調子、連絡方法、公開済みの振替ルールなど、個人を特定しない情報でも案内文の土台になります。
注意
生徒名簿、連絡先、学校名と学年の組み合わせ、欠席理由、健康や家庭の相談、未公開の契約・経営資料は、このお知らせ作りのために入力しないでください。下書きは「生徒A」「保護者の皆さま」などで作り、実名や個別の事情はAIへ渡さず、確認後に手元で必要な宛名だけ入れます。


無料プランなら、少ない資料で試してみましょう
プロジェクトのファイル数はプランで異なります。公式案内では無料は一つのプロジェクトにつき5ファイル、Go・Plusは25ファイル、Proは40ファイルです。利用できるモデルや回数は契約プランの条件に従います。
ただ、初めてのお知らせ作りで、上限まで資料を入れる必要はありません。まず一つの基本案内を整理して使う方が、何を参照した下書きなのかを追いやすくなります。
| 資料・情報 | 置き方の例 |
|---|---|
| 公開済みの教室案内 | プロジェクトの共通資料 |
| 短い段落など文章の決まり | プロジェクトの指示 |
| 今回の日付・会場・期限 | 今回の会話で明示 |
| 生徒名簿・個別の事情 | 共通のお知らせ作成に持ち込まない |
この分け方なら、「生徒ごとの振替履歴まで入れないと使えないのでは?」と心配する必要はありません。共通の文章を整える作業と、個別の判断をする作業を分けます。
「教室のお知らせ」というプロジェクトを一つ作ってみよう
ChatGPTのサイドバーから新しいプロジェクトを作り、名前とアイコン、色を選びます。名前は「教室のお知らせ」のように、用途が分かる短いものにしましょう。
次に、プロジェクトのメニューから設定を開き、そのプロジェクト用の指示を入れます。ここに置いた指示は、そのプロジェクト内で使われます。資料は追加する場所からアップロードするか、テキストで渡します。

次の文章は、教室の事情に合わせて直して使うための入力例です。料金や締め切りは、実際の決まりに置き換えてください。
入力例
このプロジェクトでは、ピアノ教室の保護者向け案内を作ります。丁寧で親しみやすく、短い段落にしてください。資料にない日付・金額・振替条件は推測せず、確認が必要な項目として示してください。毎回、対象者・日付・保護者がすることを先に整理してください。

指示に入れるのは「毎回変わらない書き方」です
プロジェクトの指示に「11月3日までに返事をください」と入れると、次のお知らせでも使われる心配があります。ここには、短い段落にする、難しい言葉を避ける、確認事項を示す、といった共通の書き方を置きます。
日付や会場などは、その都度の会話で渡す。固定したいのは書き方であって、今月の予定ではありません。この区別が、お知らせを作り続けるときの手間を減らす土台になります。

今月のお知らせは、事実を先に並べてから頼みましょう
文章の完成形をいきなり頼むより、まず今回の条件を短く書きます。発表会の例なら、日時、場所、対象、返答の期限、返答方法、まだ決まっていないことを分けます。
入力例
発表会の参加確認文を作りたいです。対象:在籍生徒の保護者。開催日:私が次に入力する日付。会場:未確定。返信方法:教室の連絡アプリ。返信期限:未確定。最初に、足りない条件を質問してください。日時や会場を推測して完成文にしないでください。
これは、未確定のまま配布する文面ではなく、足りない材料を整理するための例です。開催日も分からないなら、参加を確定する依頼なのか、日程の希望を聞く依頼なのかから決める必要があります。

不足を埋めたら「今の条件で、保護者がすることを冒頭に入れて、180字程度の下書きを作って」と頼みます。文字数は配信先に合わせる目安です。必要な条件まで削るための数字ではありません。
同じ会話を延々と使うより、お知らせごとに分けよう
プロジェクトは同じまま、会話は「発表会の参加確認」「冬休みの日程」のように分けます。別の案内の変更履歴が一つの会話に積み重なると、確認するときに読みにくくなります。
会話を分けても、AIが背景を正確に使う保証はありません。今回の条件を明示し、下書きで使われた日付や対象を確認することは続けます。

「誰が、何を、いつまでに」を紙に戻して確認しましょう
下書きが出たら、保護者の立場で読みます。自分の子が対象なのか、返事をする必要があるのか、どこに送るのか。そこが分からなければ、丁寧な文章でも連絡は完了しません。

たとえば「参加希望者は返信してください」では、不参加の人が返事をしなくてよいのか迷うことがあります。全員の回答が必要なら、その条件を明示します。教室で決めていない方針を、AIの文面だけで決定しないでください。
曜日が付いている場合は日付と一致するか、会場の名称は正しいか、金額は教室の案内と同じかも照合します。確認した文面を教室の連絡手段へ移すところは、自分で行います。プロジェクトを作っただけで自動配信されるわけではありません。
共有は急がず、資料と設定を見直してから
一人で使うなら、プロジェクトを他の人へ共有しなくても始められます。共有すると、相手の権限に応じて会話や資料、指示を扱えるため、公開案内と私的な相談を混ぜないことが大切です。
注意
生徒や保護者の個人情報を、案内文を作るためだけにまとめて入れないでください。共有リンクを渡す前に、資料と会話の中身を確認します。

個人向けChatGPTでは、設定のデータコントロールでモデル改善への利用を管理できます。オフにしても、会話は通常の履歴に残ります。「学習に使わない」と「保存されない」は別のことです。
学習オフでも、名簿を入れてよいとは考えないで
設定は、アカウントのメニューから「設定」→「データコントロール」で確認できます。モデル改善への利用をオフにすると、新しい会話は学習に使われなくなります。ただし、サービスへの送信や保存そのものをなくす設定ではありません。
個人情報保護委員会は、事業者が個人情報を含む入力をする場合、利用目的に必要な範囲かを確認し、本人の同意なく個人データが回答以外の目的で扱われる場合には、法令に違反する可能性があると注意喚起しています。学習利用の有無だけで、教室としての取扱いの確認が済むわけではありません。
名前を伏せても、学校、学年、レッスン日時、家庭の事情が重なると、誰のことか分かる場合があります。実在の相談を細かく置き換えるより、「発表会の参加確認文を作る」のように、共通の仕事だけに絞る方法をおすすめします。
会社や別の教室から預かった資料を使う場合も、利用許可や守秘義務、相手との約束を先に確認してください。許可や適切な取扱いを確認できない資料は入力せず、公開済みの基本案内だけで下書きを作ります。
共有したプロジェクトでは、参加者が会話や資料を見たり、追加資料が他の参加者への回答に使われたりします。学習設定の確認と、共有相手・資料の確認は別々に行いましょう。完成したお知らせにも、別の生徒の事情や不要な情報が紛れていないかを確認してから送ります。
毎月の案内を作る前に、基本資料の料金や連絡方法が変わっていないかを見直しましょう。AIに渡す資料が古いままなら、文章が自然でも中身は古いままになり得ます。
教室の決まりを一度整理し、今回の条件を別に渡し、保護者が動ける文章かを確認する。プロジェクトを使う意味は、こうした小さな確認を続けやすくすることにあります。


